top of page

Pick up Archi!! - 2026

霞ヶ浦どうぶつとみんなのいえ

設計:高橋一平  竣工:2004年(改修)  所在:茨城県行方市玉造甲(霞ケ浦ふれあいランド内)

​霞ヶ浦湖岸に建つ既存施設(水の科学館 1992年開館)をリノベーションした動物園施設。既存部分は一部切除し、外周の遊歩道と内周の園路と相互の視線が緩やかにつながる「歩廊」を挿入してダイナミックな転生を図っている。既存部分も従前のメインエントランスの大階段を廃し、階段のスラブを除いてトップライトにし、コンクリート壁面を斫ったまま粗い造形表現をするなど巧みにデザインに活かしている。

晩翠草堂(旧土井晩翠邸)

設計:不詳  竣工:1949年  所在:宮城県仙台市青葉区大町1丁目

​仙台の中心市街のビルの谷間に建つ詩人・英文学者の土井晩翠が晩年を暮らした邸宅。仙台空襲で焼失した旧宅に代わり建てられ、戦後間もない時期もあり二間の続き間座敷の棟に台所等を置いたであろう棟をT字型に配した小住宅である。床柱を置かず間口全体に落掛を渡して、片脇に地袋を置く瀟洒な座敷飾をもつなど和式を基調としながら洗練されたモダンなたたずまいで建築全体がまとめられている。

上無田松尾神社

設計:木島安史  竣工:1975年  所在:熊本県熊本市東区画図東1丁目

江津湖西畔の上無田地区内に建つ神社。中央にヴォールト屋根を渡し、翼廊に屋根を架けて十字型の拝殿をもつ。列柱を緊密に並べることも本殿への軸線を強く表徴するが、柱頭はデフォルメした造形で、西洋の歴史的建築を基調としながらも忠実に用いないことにポストモダニズム建築らしい表層性を感じさせる。本殿は年代的に遡るとみられるが、一部の例を除き珍しい白色に塗られており、拝殿に合わせた設えであろう。

国立京都国際会館

設計:大谷幸夫  竣工:1966年  所在:京都府京都市左京区岩倉大鷺町

京都中心市街の北部郊外に建てられた国内最初の国際会議場である。台形と逆台形を重ね合わせたダイナミックな造形でありながら、伸びやかな軒線が宝ヶ池の水面と周囲の山並と親和するコンテクスチュアルな風景を織り成している。館内は絶妙な差異をもって設けられた床面が連なり、約68.2度という数値上で不可解な角度の柱・壁でありながら不思議と身体にフィットする心地よい空間が広がる。

花屋ホテル

竣工:1917年  所在:長野県上田市別所温泉

長野県内最古の温泉地・別所温泉に所在する1917(大正6)年創業の老舗旅館。広大な敷地に建屋が点在し、池泉庭園の中を縫うように配された渡廊下で繋げられた迷路のような複雑な構成をもつ。客室は多彩な銘木、遊び心に富んだ造作にあふれ、また大理石で設えられた大浴場も創建時の内装を活かしながら使われており、優美な時間と歴史の積層を大いに感じさせてくれる近代和風建築の好例である。

木材会館

設計:日建設計  竣工:2009年  所在:東京都江東区新木場1丁目

新木場駅前に建つオフィスビル・貸ホール等の施設。アイコンとするべく防火区画を明確に設けてファサードに木材を大胆に使用している。105角無垢材を用いることで本実型枠の打放しコンクリート壁面とのコントラストが明瞭となり、合板や集成材と異なりテクスチュアの表現にとどまらぬことでクラフトマンシップに長けた造形となっている。竣工時から年月を重ね、その風合いも豊かさを纏っていることも好ましい。

北沢浮遊選鉱場跡

竣工:1940年  所在:新潟県佐渡市相川北沢町3丁目

​1940~52年のわずか12年間のみ稼働した佐渡金山において原鉱から有用鉱物を分離させる工程を担っていた施設の遺構。鉱石を上部から工程に則って選鉱していくため構造物は段状に築かれ、かつては斜めの大屋根で覆われていたという。長く風雨にさらされ半ば風景化したダイナミックなフォルムは圧巻で、逆円錐形のシックナーとレンガ造の発電所とともにそれぞれの機能に即した形態・素材の侘びたたたずまいを伝える

當麻寺

建立:本堂 1161年 /東塔 奈良時代 / 西塔 平安時代前期  所在:奈良県葛城市當麻

​奈良盆地の西端、交通・軍事の要衝の地に建つ真言宗・浄土宗の二宗派を並立する奈良時代開基と伝わる古刹。当麻曼荼羅を安置する本堂は、奈良時代に建てられた前身建物の部材を再用して内陣を築き、外陣等を拡幅した特異な系譜をもつ。近世以前建立の東西両塔を備えるのも特徴で、とりわけ奈良時代建立の東塔は、木割が太く組物も複雑であり、とりわけ2、3層が2間四方という他にない仏塔の形態を有している。

斉藤茂吉記念館

竣工:1968年 / 1989年増築  設計:谷口吉郎・谷口吉生(増築)  所在:山形県上山市北町弁天

​大正・昭和前期に活躍したアララギ派の代表的歌人・斎藤茂吉の出生地に建てられた記念館。桟瓦葺の切妻屋根を載せ、開口部の少ない白色に塗られたボリュームで構成する同時期の谷口吉郎作品に多くみられる伝統表現を纏ったモダニズム建築である。後年に子息・谷口吉生により常設展示室が増築されるが、大部分を地下に埋設させ、地上に現れるフレームによる透明度の高いボリュームは明らかな対比的な構成を示す。

足尾銅山記念館

竣工:2025年  設計:日本設計  所在:栃木県日光市足尾町掛水

​古河グループの創業150周年を記念して建てられた足尾銅山の歴史を伝える博物館である。辰野金吾が主宰する辰野葛西事務所の設計で1911年に建てられた足尾鉱業所を再現しており、ハーフティンバーを纏った瀟洒なたたずまいながら、前後ないし左右に方杖で支持するバーティザンと思しきスコティッシュバロニアル調の装飾を備える。辰野式フリークラシックの装いを伝える旧書庫が隣接して現存する。

福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館

竣工:2022年  設計:内藤廣(+センボー建築事務所)  所在:福井県福井市安波賀中島町

​近年新たに建て替えられた一乗谷朝倉氏遺跡のガイダンス施設である。暗色の外装材(チタン亜鉛合金板)に切妻屋根を連ねる形態など周囲の山並みや集落環境との調和を図り、館内も県内産の杉材を用いて建築内外にわたって落ち着いたたたずまいをもつ。発掘された遺跡を覆って保護し、原寸大の一乗谷朝倉氏邸を館内に再現するなど、展示形式も趣向に富んでいる。

  • facebook
  • Twitter Round
  • googleplus
  • flickr

© 2014 by Tatsuya Fujiki. Proudly created with Wix.com

bottom of page